09/06/23 ナゴヤ  ソフトバンク14回戦(対ソフトバンク8勝5敗1分)

◎山本昌5イニング1失点◎

 
ソフトB
中  日

[本塁打]平 田2号(2回1点陽耀勲)
     小 斉9号(4回1点山本昌)
     新 井5号(4回1点陽耀勲)
[勝 投]山 内  (10試合3勝3敗)
[セーブ]金 剛  (17試合0勝0敗7セ)
[敗 投]陽耀勲  (15試合1勝1敗1セ)

 
ソフトB
中  日 10

 打率長打率出塁率
中   藤 井 .750 1.000 .750
二   岩崎達 .203 .266 .282
遊    谷  .289 .474 .320
一   新 井 .288 .492 .418
右   平 田 .339 .597 .369
左   中 川 .280 .347 .341
三   福 田 .326 .543 .361
  投   菊 地 - - -
  投   鈴 木 - - -
  投   金 剛 - - -
捕   小 川 .083 .208 .179
  打   中村一 .279 .341 .312
  捕   清水将 .143 .143 .250
投   山本昌 .000 .000 .333
  打   沢 井 .345 .370 .397
  投   山 内 .091 .091 .091
  三   堂上直 .179 .286 .225
29 10 .261 .375 .326
 打率長打率出塁率

  防御率 三振率
山本昌 63 17 3.24 7.92
山 内 12/3 42 12 4.23 5.69
菊 地 2/3 11 3.54 5.75
鈴 木 2/3 4.05 4.05
金 剛 10 1.00 10.50

【失策】岩崎達

《相手投手》陽耀勲(5回2/3)−甲藤(1/3回)−森福(1回)−篠原(1回)

D先発・山本昌

  2軍での調整が続く、山本昌が先発。5イニングを投げ1安打1失点に抑
 える好投を見せた。

  じとっとした炎天下のマウンドで、43歳が生き生きと躍動した。3回まで
 無安打無失点。4回に小斉にソロ本塁打を左越えに運ばれたものの、被安打
 はこの1本だけ。5イニング1失点の力投だった。

  一発以外はほとんど、スキのない完ぺきな投球だった。 もっとも本人は
 「そんなことないよ」と、サラリ。さらに高いレベルを求めているものの、
 200勝左腕のテクニックはソフトバンクの若手たちを圧倒した。

  蒸し暑い、盛夏を思わせるマウンド。普通、投手にとっては逆境だ。夏場
 になると投手は全体的に調子を落とし、打撃陣が数字を上げる。これが球界
 の常。苦しい夏場が山本昌にとっては主戦場なのだ。

   山本昌  「暖かくなってきたので、また調子を上げて頑張ります」

  帰り際、山本昌は力強く言い残して球場を去った。太陽に照らされた顔は
 明るい。昨年8月には史上最年長となる月間MVPに選ばれた。「暑いとき
 の方が調子が上がってくる」という自他共に認める夏男だ。

  7月が近づき、上昇してきた大ベテラン。このタイミング、チームにとっ
 て都合がいい。日程的に余裕のあった交流戦は終わった。26日からの広島3
 連戦の後は連戦が「6」、「6」、「9」と続く。交流戦終盤は4枚で回し
 ていた先発ローテーションを、一気に6枚に増やさなければならない。まず
 は頭数が必要なのだ。早ければ来週前半、30日からの阪神3連戦あたりで1
 軍再昇格する可能性もある。

D1番中堅・藤井

  打率2割9分7厘5毛でリーグ8位の藤井が2軍戦に志願して出場。「1
 番・中堅」でスタメン出場すると、1回先頭での右前打を皮切りに、右前打、
 左中間二塁打と3安打(4打数)を記録して格の違いを見せた。

   藤井   「4日間空くので勘を鈍らせたくない」

 と出場したが、収穫は対戦相手が4打席とも左腕(陽と森福)だったこと。

   藤井   「練習と試合では違いますからね。右打席で打てたのはよか
         ったと思います」

 26日からの相手である広島との今季対戦成績は20打数8安打の4割。「悪い
 イメージはない」という相手を打ち砕く準備はできたようだ。

D3番遊撃・谷

  平田らと同じく1軍から派遣された谷は、2打点をマークした。3打数無
 安打ながら、6回に遊ゴロの間に1点をもぎとると、8回無死三塁では、カ
 ウント2−1から左翼へきっちり犠飛を放った。

    谷   「(犠牲フライは)追い込まれてからでしたが、うまく打てま
         した。あしたも打席に立たせてもらって、実戦感覚を養い
         たいです」

D5番右翼・平田

  平田が1軍に在籍する数選手とともにに出場。「5番・右翼」でスタメン
 出場すると先制ソロを含む4打数2安打1打点と活躍した。交流戦終盤にス
 タメンで活躍した若竜が逆転Vへの起爆剤になる。

  格が違う、存在感が違う、目の色が違う。2軍にいたころとはまるで別人
 だ。1軍から派遣された2軍戦で特大アーチを含む2安打。首位・巨人との
 差は7.5ゲーム。 奇跡の逆転Vに向けて、この若き21歳が起爆剤になりそう
 だ。

  約1カ月ぶりとなる2軍戦、最初の打席でスタンドをうならせた。2回1
 死、相手はソフトバンクの左腕・陽、 カウント1−2からの144キロ内角直
 球を振り抜くと大きな弧を描いて中堅左のネットに突き刺した。あいさつ代
 わりの先制ソロだ。さらに6回2死一塁からは右翼線二塁打。4打数2安打
 1本塁打、結果もさることながら、内容に価値があった。

   平田   「(打撃コーチの)石嶺さんから(2軍戦で)課題を持ってやっ
         てこい、と言われたんですが、できたかなと思います」

  最初の打席は「最近は真っすぐに振り遅れている。だからタイミングを合
 わせていこう」と考え、カウント2−2と追い込まれながら直球をはじき返
 した6回の右翼線二塁打は「狙い球を絞って、違う球が来たらカットしよう」
 と考えていた。4打席とも、各局面で自分に課題を与え、結果を残したので
 ある。

  目の色が変わっているのも当然だろう。プロ4年目にして最大のチャンス
 が到来している。20日のオリックス戦(ナゴヤドーム)で2安打2打点で勝利
 に貢献すると、翌21日もスタメン出場して4打数1安打。右翼のライバルに
 は小池、野本、李炳圭らがいるが、小池は打率が2割1分3厘と低く、残り
 2人は2軍暮らし。目下打率3割3厘、得点圏打率も4割4分4厘と高い若
 竜が結果を残し続ければ、レギュラーの座を手にできる。

   平田   「最近は立浪さんに言われた通り、しっかり下半身で打てて
         いると思います。チャンス? そうですね。いま頑張って
         結果を残せば、外されることはないですから」

  26日から再開するリーグ戦(広島戦)を前に、24日も2軍戦(ソフトバンク
 戦)に出場する予定。

   平田   「あしたも内容ある打席にしたい」

 目をギラつかせる若き力が本当の戦力になったとき、 7.5差がわずかな距離
 だったと思えるはずだ。

D6番左翼・中川

  中川は3打席で2度出塁した。2回にカウント2−1と追い込まれながら
 も、中前打を放つと、6回には四球を選んだ。1軍の立場でファームの試合
 に出るのは、プロ6年目にして初めてといい、

   中川   「ホッとしました。1本出て良かった。(結果を残すと)自分
         にプレッシャーをかけていたので、その中で打てて良かっ
         たです」

D7番三塁・福田

  福田が、チームを勝利へと導く逆転の決勝2点適時打を放った。2打席凡
 退した後の1点を追う6回2死満場。カウント2−1と追い込まれながらも、
 2番手・甲藤の外角低めスライダーをコンパクトに振り抜き中前へ運んだ。

   福田   「バットの先っぽでしたけど、うまく拾えました」

 技ありの一打を放ち白い歯をこぼした福田。これで6月の月間安打数は20安
 打に達し、月間打率は3割7分7厘と好調を維持している。

  この日、守備機会はなかったが、三塁での先発起用は12日のオリックス戦
 からこれで9試合連続となった。

   福田   「必死ですけど、試合に出られるので本当に楽しいです」

 試合後は三塁の守備位置に就いて、ノックを受けたっぷりと汗を流した。

  20日の広島戦では4号本塁打を放つなどアピールを続けており、プロ3年
 目で初の1軍昇格は着実に近づいているはずだ。

                 【6月24日付け中日スポーツより引用】