07/09/03 北神戸  サーパス15回戦(対サーパス7勝7敗1分)

◎逆転勝ちでM5点灯◎

 
中  日
サーパス

[勝 投]石 井  (26試合1勝2敗1セ)
[セーブ]金 剛  (31試合2勝0敗9セ)
[敗 投]吉 川  (17試合1勝1敗)

 
中  日
サーパス

 打率
右   上 田 .287
  右   普久原 .118
指   沢 井 .240
二   森 岡 .310
一   新 井 .274
中   中村公 .289
遊三  柳 田 .224
三   堂上直 .211
  遊   鎌 田 .193
左   春 田 .218
  左   中村一 .197
捕   田 中 .224
31 .248
 打率

  防御率
佐藤充 16 6.14
小 林 2.70
清水昭 4.55
石 井 2.82
金 剛 0.59

《相手投手》光原(6回0/3)−香月(1回)−吉田(1回)−吉川(1回)

D2番手・小林

  5年目左腕・小林が2番手として登板、2イニング無安打2三振の無失点
 と好投した。

  小林の1軍での登板は左打者のワンポイントか長くても1イニングだ。左
 打者を抑えるコツはつかんできた。この日も左の3人の打者に対し、スライ
 ダーがさえて完璧に抑えた。左の横手からのスライダーに強打者も腰を引く。

  ところが、左打者のところに代打の右打者が送られると困る。

   小林   「緩いチェンジアップを練習しています。今日も1球投げた
         けれどもう少しですね」

 4番・迎に投げたチェンジアップがシュートになった。これが落ちるように
 なれば打者のタイミングが外せる。

   小林コーチ「遅い球を練習させています。この球が決まるようになれば
         右打者も怖くない。試合で投げて自信をつけていってほし
         い」

  1・2軍を行ったり来たりでは困る。定着するためにはチェンジアップの
 マスターだ。

D6番遊撃→三塁・柳田

  2年目の柳田が2安打1打点。7回の中前適時打と9回の右前打で、とも
 に点に絡んだ。

   柳田   「打撃が引っ張り気味になっていたけど、一昨日(1日)から
         センター方向を意識するようにした。ボール球を振らない
         ようになった」

 基本徹底で結果を出した。

D辻2軍監督

  終盤の逆転勝ちでマジックがともったが、辻2軍監督は不満の口ぶりだ。

   辻2軍監督「前半の攻めがまず過ぎた。打ち取られ方がもうちょっと。
         内容が大事ですから」

 一方、無失点でつないだリリーフ陣は

   辻2軍監督「1点でも少なく抑えていれば何が起こるか分からない、と
         いつも言っているが、それができていた」

※若竜M5点灯

  ウエスタン・リーグは3日、首位・中日がサーパス戦(北神戸)に5−4で
 逆転勝ちし、優勝へのマジックナンバー「5」を点灯させた。対象は中日と
 の直接対決を7試合残すサーパスで、残り13試合に全勝しても47勝32敗で勝
 率5割9分5厘。中日はサーパス戦に全敗しても、それ以外の5試合に全勝
 すれば49勝33敗で勝率5割9分8厘とサーパスを上回る。最短で優勝が決ま
 るのは6日のサーパス戦(ナゴヤドーム)で、条件は中日が4−6日のサーパ
 ス戦に3連勝し、2位・阪神が4、5日の広島2連戦に1敗以上すること。

◎Vへ一直線、弟竜強さの秘密 <ドラゴンズ特捜隊より>

  セ・リーグのし烈な優勝戦線の一方で、弟竜はVへまっしぐら。中日2軍
 は3日、サーパスに勝ってウエスタン・リーグ優勝へのマジック5が点灯し
 た。

  今回の特捜隊はそんなたくましい弟竜と、就任1年目でファーム優勝へと
 先導する辻2軍監督に注目。データ分析を基に、そこから浮かび上がった主
 な3つの進化を取り上げる。

◆速く−全力疾走で得点急上昇

  ウエスタンの中日は残り12試合の現時点で、チーム総得点がすでに昨季の
 数字を大きく上回っている。チーム打率が2割2分6厘から2割4分8厘へ、
 上昇幅は2分2厘あるものの、得点を押し上げているのはそれだけではない。
 走者を得点に結びつける割合の“得点率”が飛躍的に上昇している。

  安打と四死球による出塁のうち、本塁に生還した確率を割り出した。昨季
 の2割9分8厘から今季は3割4分8厘へ、大きく伸びている。効率良く得
 点に結びつけるための本塁まで走塁。そこに辻2軍監督の考えが反映されて
 いるようだ。

   辻2軍監督「ひとつでも先の塁を狙う、三塁走者なら本塁へのスタート、
         そういったところは良くはなっているはず。失敗はしてい
         いから、思い切った攻撃的な走塁をしてほしい。消極的な
         走塁はしてほしくない。1軍に行ったときに『できません
         でした』ではいけない。それを心がけるよう、いつも言っ
         ている」

  辻2軍監督は就任以来、選手の走塁の積極性に目を配ってきた。状況判断、
 思い切ったスタートなど選手への指導をこまめに続けてきた。中でも最も成
 果を感じているのが

   辻2軍監督「全力疾走すること。他のチームよりもできている。一番自
         慢できるところ」

 基本ながら、継続するには根気がいる。

   辻2軍監督「一番忘れやすいことでもあるから口酸っぱく言ってきた。
         走ることにはスランプはない。全力で走れば、相手のミス
         も誘えたり、守備が浅くなったり、いろんなことがあり得
         るから」

  辻イズムの積み重ねが、試合数が12少なくても得点が32増えるという逆転
 現象につながっているようだ。

◆速く−素早いプレーで併殺増

  現役時代、名手で鳴らした辻2軍監督。守備面のデータで改善しているの
 が併殺だ。今季は3日現在、昨季の1シーズン分と同じ65個だから、昨季を
 大きく上回るのはほぼ間違いないだろう。

   辻2軍監督「併殺が取れずに打者走者を残し失点すると痛い。確実に取
         れるところは取ることが大事だと思う」

  ナゴヤ球場では全体練習の開始前に必ず早出ノックが行われる。スタッフ
 が手にするのはストップウオッチ。併殺を取るため、二塁を経由し一塁まで
 転送される時間を計る。タイムをそのつど、選手に伝える。選手はスピード
 を意識。昨年から風岡2軍内野守備走塁コーチが指導を続け、今年は奈良原
 2軍内野守備走塁コーチが加わった。辻2軍監督は選手の近くで併殺のテク
 ニックを教えてきた。

◆早く−スピーディーな1、2軍入れ替え

  もうひとつ、大幅に増えているのが野手の入れ替えだ。1軍に昇格した延
 べ人数は8月末までで「59」。昨季の同時期は「38」だった。投手は「24」
 から「29」へ微増ながら、野手は「14」から「29」へほぼ2倍増だ。

  この数字は1軍の事情とリンクするものだが、積極的な入れ替えの結果、
 藤井、堂上剛が1軍に定着。沢井、新井、中村公も一時的ながら1軍で結果
 を出した。

  やるのは選手だが、2軍サイドの的確な見極めも見逃せない。

   辻2軍監督「上からの要望に応え、いつでも送り出せるように調子を上
         げるのがボクら2軍スタッフの役割」

 1軍昇格時期と選手の“旬”を可能な限り符合させる。その結果、1軍に上
 がった選手が活躍する。その繰り返しが2軍の選手には最高の発奮材料にな
 っているようだ。

◆でも、やっぱり投手です

  データ的には攻撃面の改善が目につくが、中日の看板は2軍も投手力だ。

   辻2軍監督「やっぱり投手ですよ。投手を中心とした守りが大事です」

  チーム防御率はウ・リーグ断トツの2.79。昨季の2.97からこちらもわずか
 に良くなっている。

                 【9月4日付け中日スポーツより引用】