07/06/27 ナゴヤ  広島14回戦(対広島11勝2敗1分)

◎中村紀2ラン含む2安打4打点◎

 
広  島
中  日 13

[本塁打]中村紀1号(1回2点斉藤)
     尾 形1号(6回2点グラセスキ)
     小 田1号(7回2点マルテ)
[勝 投]朝 倉  (2試合1勝0敗)
[敗 投]斉 藤  (11試合1勝6敗)

 
広  島
中  日 14

 打率
二中  荒 木 .467
中左  藤 井 .299
遊二  森 岡 .333
三   中村紀 .429
  遊   鎌 田 .250
左   堂上剛 .375
  投   久 本 .500
  投   斉 藤 -
  投   小 林 -
一   新 井 .256
右   沢 井 .238
  右   普久原 .143
捕   小 田 .250
  捕   福 田 .000
投   小笠原 .333
  打   中村一 .164
  投   朝 倉 .000
  投   デニー -
  打   平 田 .295
  投   グラセ -
  三   堂上直 .224
37 14 11 .248
 打率

  防御率
小笠原 1.04
朝 倉 0.00
デニー 0.00
グラセ 36.00
久 本 0.61
斉 藤 1/3 2.30
小 林 2/3 3.86

《相手投手》斉藤(4回)−山中(1回)−カリダ(1回)
      −マルテ(2回)

D2番中堅→左翼・藤井

  1軍組の野手では藤井、小田、沢井がこの日の2軍戦に出場したが、藤井
 のバットが爆発。2打席連続の二塁打を含む3安打をマークした。

   藤井   「新しいことを取り組み始めて、試合で結果を出せたという
         ことはよかったと思います」

  バットの出し方など落合監督からアドバイスをもらい、練習ではバントの
 構えからスイングするなど、課題の打撃向上に精力的に取り組んでいる。

D4番三塁・中村紀

  右太もも裏を痛めてファームで調整中の中村紀が豪快なデモ弾で全開をア
 ピールした。落合監督が見守る中「4番・三塁」で出場、左越えの先制2ラ
 ンを含む3打数2安打、1四球、1本塁打4打点。チームのセ・リーグ再開
 初戦となる30日のヤクルト戦(秋田)からの1軍復帰がはっきりと見えた。竜
 打線強化のキーマンとなりそうだ。

  千両役者は見せ場を心得ている。右太もも裏痛から実戦復帰2戦目を迎え
 た中村紀がネット裏の期待に見事に応えた。もう大丈夫です。ナゴヤ球場内
 の球団関係者室で見つめる落合監督の前で“豪快デモ弾”だ。

   中村紀  「やっと動けるようになったという感じです。2ラン? 初
         球は『うわっ、速い』と思ったけどね。詰まったけど、う
         まく反応できましたね」

  納得の一撃は1回に飛び出した。2死三塁、獲物は、福井商から入団して
 2年目、広島の20歳左腕・斉藤の1ボールからの2球目だ。 136キロの高め
 速球を振り抜くと打球は大きな弧を描いて左翼ネットへ。“復活デモ”は先
 制2ランだけでは終わらない。4回無死一、二塁では「上(1軍)でやるイメ
 ージでゴロを打たないように」と右中間を破る2点適時二塁打。実戦を想定
 して結果を残した。

  右太もも裏を痛めたのが5日のオリックス戦。以降、慎重にリハビリを積
 んで23日のウ・リーグ、ソフトバンク戦で実戦復帰。2試合目で復活アーチ
 を架けたが、最大の収穫はほかにある。4回1死二塁、新井のヒットで二塁
 から本塁へ全力疾走できたことだった。

   中村紀  「違和感もなく、怖さもなく走れました。もう一回やると長
         引くんで、我慢してやってきたのがよかった。トレーナー
         の方に感謝しています」

  この日の試合後も約1時間の特打を行うなど打撃についての不安はない。
 元気な姿を見守った落合監督は中村紀に関する質問を受けつけなかったもの
 の、高代野手総合チーフコーチが「心配いらない」と言えば、辻2軍監督も
 「もう大丈夫」と1軍復帰に太鼓判。今後は28日のウ・リーグ、広島戦に出
 場後、1軍に合流することになりそうだ。

   中村紀  「監督が見ていた? 知りませんでした。まあ、知らなかっ
         たのがよかったのかも。あした(28日)も試合に出て、あと
         は電話がかかってくるのを待つだけですよ」

 やり残したことはない。復帰は30日のヤクルト戦が濃厚。セ・パ交流戦では
 元気のなかった竜打線に破壊力ある大砲が帰ってくる。

D7番右翼・沢井

  沢井は「7番・右翼手」でスタメン出場した。内野ではなく外野での出場
 だったが

   沢井   「内野はノリさんとかいますから。試合に出るためには(外
         野は)当然ですよ」

 2打数1安打2四球で、2回には二盗に成功。試合後は

   沢井   「打席に立てたことが大きかったです」

 と笑顔。28日も2軍戦に出場し、セ・リーグ再開に備える予定。

D8番捕手(途中出場)・福田

  新人捕手の福田が5月15日のウ・リーグ、阪神戦以来、公式戦では2試合
 目のマスクをかぶった。9回の1イニングだけだったが、斉藤、小林の2投
 手を無失点のリード。

   福田   「慌てないで、落ち着いてできました」
  古久保コーチ「以前に比べたら捕る方も投げる方も数段良くなっている。
         でも、まだまだこれからですよ。やることはたくさんあり
         ますから」

D9番三塁(途中出場)・堂上直

  23日のソフトバンク戦で左ひざ痛から実戦復帰を果たした新人・堂上直が
 7回表の守備から途中出場。 その裏、復帰後初打席では、マルテの154キロ
 速球をとらえて左中間へ大飛球を放ったが、左翼・尾形に好捕されてしまっ
 た。

   堂上直  「いい当たりでしたけどね。(バットの)芯だったらいってた
         (外野フェンス越え)と思います」

 ウ・リーグの本拠地ナゴヤ球場での初本塁打を逃し、ちょっぴり悔しそうだ
 った

D先発・小笠原
D2番手・朝倉

  1軍の先発ローテーションを担う朝倉、小笠原が、調整の一環で登板した。
 先発の小笠原は2イニングを1安打無失点。2番手の朝倉は2イニングを打
 者6人で無安打、ピシャリと抑えて貫録の投球を見せた。

   小笠原  「ダメです。上(半身)と下がバラバラでした。でも、それを
         試合後に修正したので、次に生かしていきたい」

 結果こそ無失点ピッチングだったが、いずれの回も先頭打者を出塁させた。
 気になった欠点は、降板後の投球練習ですぐに修正。 今月は未勝利だった
 「5月のMVP男」が7月反攻に備えた。

  一方の朝倉は

   朝倉   「そこそこ投げられました。いい感じで、また入っていける
         と思います」

 好調でセ・リーグ再開を迎えられそうだ。

  両投手は、7月3−5日の広島3連戦での先発が予想される。“弟”(2
 軍)を封じた2人で今度は“兄”(1軍)をやっつけたい。

D3番手・デニー

  5月28日の“再昇格”からいまだ1軍登板のないデニーが調整登板した。
 5回に登板し、1イニングを無安打無失点。最速146キロをマークした。

   デニー  「ファームだからいろいろ試しながら投げました。まあ頑張
         りますよ」

  実戦登板は5月20日の2軍戦以来。1カード2連戦方式だったセ・パ交流
 戦では出番がなかったが、連戦が続く7月はフル回転したい。

C1番中堅・アレックス

  昨季限りで中日を退団した広島のアレックスが、日本球界復帰後、名古屋
 に“初見参”した。「1番・中堅手」でスタメン出場し、3打数無安打に終
 わったが、調整は順調。29日の巨人戦で、日本“再デビュー”予定。さらに、
 7月3日からの中日3連戦(福井、岐阜、ナゴヤドーム)では、1軍の公式戦
 での古巣対決が待っている。アレックスは恩返しの活躍を狙う。

  対戦相手となった中日はアレックスにとって昨季まで慣れ親しんだユニホ
 ームで、好刺激。加えて、スタンドの竜党からの熱烈な“歓迎”が闘志に火
 を付けた。「アレックスー!!」の声援が飛び交う。いまでも名古屋で根強い
 人気。ファームでの調整試合ながら、アレックスは古巣との試合に広島2軍
 の選手のだれよりもハッスルしていた。

  バットを握っては3打数無安打、1四球。中堅の守備で目測を誤り、飛球
 を三塁打にしてしまう“ミス”も犯したものの、1軍再デビューを控え、充
 実した表情だった。

   アレックス「スイングできたし、生きた球を見ることができた。いい形
         で仕上がっているよ。中日と対戦するなんて変な感じだっ
         たけど」

  順調なら28日もウエスタン・リーグに出場し、29日のセ・リーグ再開とと
 もに1軍本隊に合流する予定。そして、7月3−5日の中日3連戦で、アレ
 ックスにとって今度は1軍との古巣対決が実現する。

   アレックス「きょう4人の1軍投手(中日の小笠原、朝倉、グラセスキ、
         久本)と対戦できたことは大きいよ。 来週(の中日戦)まで
         には体調を万全に整えたいね」

 昨日の友がきょうの敵となる。

                 【6月28日付け中日スポーツより引用】