05/08/21 ナゴヤ  広島17回戦(対広島8勝7敗2分)

◎中里復帰登板MAX148キロ◎

 
広  島
中  日

[勝 投]小笠原  (15試合3勝3敗)
[敗 投]梅 津  (4試合1勝2敗)

 
広  島
中  日

 打率
遊   沢 井 .333
三   鎌 田 .272
二   森 岡 .342
左   中村公 .245
中   土 谷 .347
右   中村一 .167
  打右  玉 野 .236
一   田 上 .176
  走   普久原 .293
  一   仲 沢 .214
捕   前 田 .241
投   中 里 -
  投   岡 本 -
  打   ホッシ .067
  投   小笠原 .059
  打   都 築 .266
  投   平 松 .600
  投   石 川 .000
29 .265
 打率

  防御率
中 里 9.00
岡 本 0.00
小笠原 18 3.12
平 松 11/3 4.38
石 川 2/3 4.66

《相手投手》梅津(6回)−長谷川(1回)−仁部(1回)

D先発・中里

  右肩を痛め約4年間実戦から遠ざかっていた中里が先発、01年9月23日の
 阪神戦(甲子園)以来1428日ぶりに実戦で投げた。結果は1イニングを3安打
 1失点だったが、直球の最速は148キロを計測。長いリハビリを乗り越えて、
 復活への大きな第一歩を踏み出した。

  胸の鼓動を感じながら、ゆったりと振りかぶった。そして、本能のままに
 腕を振った。 1428日ぶりの実戦マウンドに立った中里の1球目は143キロ直
 球。高めにうわずってボールとなったが、止まっていた時計が動き出した瞬
 間だった。 4人目の打者・比嘉への初球、2球目は最速148キロを計測。結
 果は1イニングを投げて3安打1失点だったが、あらためて非凡な潜在能力
 を示した20球だった。

   中里   「お客さんがいて、相手のバッターがいてキャッチャーがい
         て…。ここに戻るためにやってきた。お世話になった人に
         投げる姿を見せたかった」

  感謝の気持ちを込めて投げた。2年目の02年春季キャンプで宿舎の階段か
 ら転落、右肩関節唇損傷および関節抱損傷の大けがを負った。その日から苦
 難の日々が始まった。復帰へ、リハビリに明け暮れる日々が続いた。

  待ちに待ったこの日、ネット裏には、その時からリハビリでずっと世話に
 なっている三重県久居市の整形外科「みどりクリニック」の瀬戸口芳正院長
 (39)とスタッフが、見守っていた。

  「自分は投手での復帰しか考えていない」−。中里は常々こう口にしてい
 たと振り返るのは、リハビリを担当していた同クリニックの百済はつえさん
 (33)。だが、03年秋に右肩を再び痛めて翌04年に手術を受けた。背番号も28
 から70に変更。一向に状態が良くなってこなかった時期は、ふと弱気な言葉
 が口をつくこともあったという。

  一筋の光明が見えたのは、昨秋のキャンプだった。中里は「正直、痛かっ
 た日もあった」と打ち明けるが、チームが決めた練習メニューを最後までこ
 なして復活にかける強い気持ちを行動で示した。

  今春のキャンプでは「今年は投げられるんじゃないか」と思えてきた。一
 つ一つの階段を上ってついにマウンドにたどり着いた。

  1軍デビュー戦だった01年9月16日の巨人戦(ナゴヤドーム)でのホップす
 るような快速球は語り草になっているが、まだ22歳。伝説になるには若過ぎ
 る。最大目標の1軍へはいくつもの階段を超えなくてはいけないが、逆境か
 らはい上がってきた中里にとって大きな一歩だった。

 ※中里の投球内容
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 打者  球種    球速 結果
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 福 地 ストレート  143 ボール
     ストレート  141 ボール
     ストレート  140 見逃しストライク
     ストレート  144 ボール
     ストレート  142 左安
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 天 谷 ストレート  141 ボール
     ストレート  140 見逃しストライク
     ストレート  --- ボール
     ストレート  140 投安
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 広 瀬 ストレート  140 ファウル
     フォーク   130 ボール
     ストレート  145 二併
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 比 嘉 ストレート  148 ボール
     ストレート  148 左安
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 井 生 ストレート  143 死球
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 山本芳 ストレート  145 ボール
     ストレート  139 ファウル
     スライダー  128 ボール
     ストレート  147 ファウル
     スライダー  128 遊ゴロ
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D2番手・岡本

  背筋痛で2軍落ちした岡本が故障後初めて、実戦登板。2回の1イニング
 を三者凡退(奪三振2)に抑えた。新人の石井とともに、22日からの福島・茨
 城遠征から1軍に合流する予定。

  ファームの下位打線を相手に、感触を確かめながらの17球。実戦で投げら
 れたことが、何よりの収穫だ。登板後、

   岡本   「甘い球が多かったけど、試合で投げられてよかった。スラ
         イダー、フォークも試して、問題はなかった」

  開幕からフル稼働。今回初めて1軍を離れたが、幸いにも軽傷で10日あま
 りでの戦列復帰も目前。

   岡本   「(1軍に)登録されたら、休んでいた分、チームに貢献した
         い」

 頼れる右腕がまもなく強竜投手陣に再びその名を連ねる。

D1番遊撃・沢井

  1番遊撃でスタメン出場した沢井が4打数3安打、2得点、1盗塁の活躍
 をみせた。

  コンパクトに振って、広角に打ち分けた。初回は中堅返し。3回には引っ
 張って右前安打。二盗を決めた。5回には流し打ち。3安打目を左前に運ん
 で猛打賞を決めた。

   沢井   「きょうはタイミングが合ってましたね。いい感じで振れま
         した」

 笑顔で打席を振り返ったが、これだけで満足はせず、こう続けた。

   沢井   「打撃も守備も精度を上げていかないと上(1軍)では使って
         もらえないですからね」

 攻守走すべてにレベルアップを目指す新人は、試合後早速、屋内練習場に向
 かい風岡コーチからノックを受けた。

D9番代打・都築

  代打・都築が貴重な追加点となる3点目をたたき出した。2−1で迎えた
 7回、 2番手・長谷川の136キロのフォークを左前にはじき返し、三塁走者
 ・普久原を迎え入れた。会心の打撃に

   都築   「いいところで打ててよかったです。久しぶりのヒットだっ
         たのでうれしいです」

                 【8月22日付け中日スポーツより引用】