10/07/22 長崎 フレッシュオールスター

 
全 ウ
全 イ

[本塁打]岩崎恭(中2回2点戸村)
     猪 本(ソ2回1点戸村)
     細 谷(ロ2回1点今村)
     堂 林(広7回1点林)
[勝 投]今 村(広)
[敗 投]戸 村(楽)
[MVP]岩崎恭

  打数 得点 安打 打点 三振 四死
松井佑 遊ゴ    遊ゴ    遊安         
吉 田                   中犠   
岩崎恭    右本    二ゴ    一ゴ    二ゴ

  回数 球数 打者 安打 三振 四死 失点 自責
岩 田


  岩崎恭100万円GETだ! 期待の若手による“球宴“フレッシュオール
 スターゲームが22日、長崎県営野球場で行われ、ウエスタン選抜の8番・二
 塁で出場した中日の岩崎恭は2回に右翼席に2ラン。最優秀選手賞(MVP)
 に輝き、賞金100万円を獲得した。後半戦に向け、また1人楽しみな若竜の
 出現。試合はウエスタン選抜がイースタン選抜を6−3で下し、通算成績を
 26勝16敗5分けとした。

W5番右翼・松井佑

  松井佑は3打数1安打だった。「5番・右翼」でスタメン出場し、最初の
 2打席は凡退したが、6回2死で遊撃への内野安打を放った。

   松井佑  「力が入ってしまいましたけど、内野安打とはいえ、1本出
         てよかったです。楽しかったです」

 笑顔で話した。

W5番捕手(途中出場)・吉田

  6回から2番手でマスクをかぶった吉田が、8回1死一、三塁の場面でダ
 メ押しの中犠飛。守っては4イニングで4投手をリードし、2失点で切り抜
 けた。

   吉田   「1軍で放られてる星野さんと対戦できたし、大観衆の前で
         プレーできたのがいい経験。これをシーズンに生かしてい
         きたい」

 と笑顔。この日、奈良からマイカーで10時間の長旅をして応援に駆けつけた
 ご両親には

   吉田   「元気な所を見せられて良かった。次はドームに見に来ても
         らえるように頑張っていきたい」

W8番二塁・岩崎恭

  家族に恩返しできたのが、岩崎恭は何よりうれしかった。

   岩崎恭  「親も見に来てくれているので、どうしても結果を残したか
         ったです」

 走攻守にわたる大活躍でMVPに輝いた。球団では94年の井上一樹に次ぎ5
 人目の快挙となった。

  MVPをたぐり寄せたのは2回1死二塁の一発。1ボールから楽天・戸村
 の内角速球をとらえると、右翼スタンドへの2ランになった。

   岩崎恭  「狙っていた球が来て。自分でもびっくりするくらいのいい
         当たり」

 何度もガッツポーズでダイヤモンドを一周。珍しく喜びを爆発させた。

  そして二塁の守備もしっかりこなし、一塁走者だった7回1死では、初球
 で二盗も決めた。

  スタンドには家族の姿があった。会社員で父の正光さん(55)は仕事で観戦
 できなかったが、母の純子さん(55)ら親族3人が神奈川県から早朝の飛行機
 で来てくれた。1軍出場は2年間でわずか5試合。安打は1本もない。これ
 までかっこいい姿は見せられなかった。

   岩崎恭  「ナゴヤ球場にも来てくれたんですが」

 若手中心の試合とはいえ、年に1度のお祭りで、ようやく晴れ姿を見せるこ
 とができた。

  家族への恩返しの気持ちは人一倍、強かった。試合前は「頑張るから見て
 て」と宣言し、試合中は何度もスタンドへ目をやった。

   岩崎恭  「守備から戻ってくる時に見ていました」

 私生活でも孝行息子。母の日と父の日のプレゼントは絶対欠かさない。今年
 は共働きの両親の骨休めになるよう、旅行券をプレゼントした。

  そんな思いを胸に成長を続けている。昨季は盗塁は1度もなかったが、今
 季はリーグトップの19盗塁。34得点もリーグトップ。

   岩崎恭  「(川相2軍)監督に聞いたりして、クセをつかめるようにな
         ってきました」

 ナゴヤ球場に隣接した寮暮らしの利点も生かし、連日の打ち込みを欠かさな
 い。今季は2軍でプロ初本塁打を打つこともできた。

  MVPの賞金100万円の使い道を問われると、きっぱりとこう言った。

   岩崎恭  「親に何かをあげたいです。これを機に活躍できるかは今後
         の自分次第だと思うので、頑張りたいですね」

 過去、フレッシュ球宴でMVPの選手はイチローら大活躍する傾向がある。
 それに続こうとしている岩崎恭。恩返しはまだまだ終わらない。

※中日のフレッシュ(ジュニア)オールスターMVP
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 年  選手名   内 容          スコア (球 場)
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 65 佐々木孝次 決勝本塁打        ウ2−1イ(後楽園)
 71 大島 康徳 3ラン本塁打含む4打点  ウ8−2イ(中 日)
 91 種田  仁 2二塁打とチーム全得点  ウ2−1イ(千葉M)
 94 井上 一樹 2本塁打含む3安打4打点 ウ11−10イ(札 幌)
 10 岩崎 恭平 2ラン本塁打       ウ6−3イ(長 崎)
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W5番手・岩田

  2年連続2度目の出場となるフレッシュ球宴のマウンドで、岩田が成長の
 跡をきっちりと長崎の野球ファンの目に焼き付けた。19日の横浜戦(ナゴヤ
 ドーム)でプロ初先発初勝利を挙げ、プロ野球新記録となる5試合連続完封
 勝利&セ・リーグタイ記録となる50イニング連続無失点記録に名を連ねた。

  そんな男が、「大学時代以来ですかね」という中2日となる登板でも余裕
 しゃくしゃく。6回にウエスタン選抜の5番手として中継ぎ登板すると、イ
 ースタン選抜を見下ろすかのような投球で1イニングを簡単に3人斬り。
 MAX138キロながら、切れ味鋭い直球や変化球を使い分け、09年のフレッシュ
 球宴での1イニング8球を下回る、わずか「6球」でピシャリと抑え、涼し
 い顔でマウンドを降りた。

  “パラシュート”がさえ渡った。1年先輩の山内が命名したというこの球
 種は、ストレートが打者の手元でシュート気味にふわっと落ちる。

   岩田   「自分で もどうしてああいう動きになるか分からない」

 という“魔球”だが、

   岩田   「これが決まっているときは打たれる気がしない」

 まだ自在に…とはいかないのに、そう豪語するあたりが波に乗っている男の
 証しか。

  肉体改造も奏功している。入団時82キロ前後だった体重をいったん80キロ
 まで絞り、食生活の改善や筋トレを行うことで85キロまで増やしたという。
 その体重増が球の球威を増し、“魔球”をも生み出す相乗効果をもたらした。

   岩田   「とりあえず0点に抑えられて良かった。後半戦につなげる
         ピッチングができたと思う」

 球宴出場で、休む間もなく後半戦を迎えるが

   岩田   「自分は体んでいる立場じゃない。しっかりアピールし続け
         たい」

 後半戦を見据えてきっぱりと言い切った。

W川相監督

  フレッシュ球宴初采配で、ウエスタン選抜チームを勝利に導いた川相2軍
 監督は

   川相監督 「いやー、とにかく選手が元気にやってくれることを願って
         ました」

 安堵の色を浮かべた。

   川相監督 「岩崎恭が予想外の本塁打を打つし…。こちらは何もやって
         ませんが、選手が勝手に動いてくれた。ムードメーカーが
         たくさんいる中で楽しくやれました」

 終始、笑顔でゲームを振り返った。

                 【7月23日付け中日スポーツより引用】