08/10/14 天福  フェニックスリーグ

◎中田5回5安打2失点◎

 
巨  人
中  日

 
巨  人
中  日 11

 打率
二   沢 井 .238
遊    谷  .111
指   森 岡 .231
右   堂上剛 .536
三   柳 田 .318
一   福 田 .300
中   中村一 .125
  打   西 川 .200
捕   田 中 .125
左   普久原 .333
  打   中村公 .211
33 .255
 打率

  防御率
中 田 5.40
山 井 1.80
赤 坂 3.60

《相手投手》木佐貫(4回)−上野(2回)−オビスポ(3回)

【注】防御率は失点で計算しているので正確ではありません。

D先発・中田

  中田が先発、5イニングを5安打6奪三振で2失点に抑えた。小林投手コ
 ーチはピッチングに「合格点」を出し、15日に1軍再合流が決定。不調に苦
 しんだ中田が、滑り込みでクライマックスシリーズに間に合った。

  迷いも悩みも吹っ切れた。小雨のぱらつくぐすついた空の下でのピッチン
 グだったが、投げ終えた中田の表情は晴れ晴れとしていた。

   中田   「だいぶいい感じで投げられました。フォームも安定してい
         たと思います」

  納得の理由は“生命線”の快速球の切れ。4回の加治前と5回の隠善の2
 つの三振に“中田らしさ”が詰まっていた。ともに内角ギリギリの直球で見
 逃しの三振。糸を引くような伸びのある球筋で、スイングすら許さなかった。

  最速は中田にしては“抑えめ”の145キロだったものの、

   中田   「きょうは力まずに投げようと思っていました。その分、指
         にしっかりかかったボールが多かった」

  後がない状況でのマウンドだった。シーズン終盤の不調で宮崎行きを命じ
 られ、9日のフェニックス・リーグ、楽天戦(西都)では制球難などで5イニ
 ング4失点に終わっていた。中4日で迎えた巨人戦は、クライマックスシリ
 ーズヘ向けての「追試」(小林投手コーチ)。同じ失敗を繰り返せない中で、
 「答え」を出して見せた。

   小林コーチ「『スタンバイ・オーケ』と言えるんじゃないかな」

 最高の褒め言葉で、中田へ“GOサイン”を贈った。

  15日には名古屋へ戻って1軍に合流する。巨人とのCS第2ステージを見
 据えれば、頼もしい右腕の帰還だ。

   中田   「短期間でこれだけ変えることができたことが、自分の中で
         手応えになっています」

 一度地獄を見た経験を大きな糧に、満を持して大一番へ臨む。

※“ミリ単位”のズレまで修正

  不思議な光景を目にした。11日の練習でのことだ。中田がマウンドの下か
 ら頂上へ向かって左足を踏み出す形で、キャッチボールを行っていた。

  今季は自身初めてになる“逆マウンド”練習。その意図をこう説明した。

   中田   「頭が突っ込む悪い癖が出ている。左足を早く着地させるこ
         とで、頭が突っ込まず、右腕をスムーズに回転させること
         ができる」

  中田に好調時と不調時のフォームの違いを尋ねると、

   中田   「ビデオを見てもわからない。感覚的なものです」

 おそらく「頭の突っ込み」は“ミリ単位”のズレ。それを修正するため、中
 田は練習の最後までグラウンドに残ってキャッチボールを繰り返していた。

  宮崎では下半身もいじめ抜いた。

   中田   「スクワットを多めにやりました。土台から作り直そうと思
         って」

 1週間余りいた宮崎で、中田は自らに“突貫工事”を施していたのだ。その
 本当の成果は、クライマックスシリーズで見せてくれるだろう。

D2番手・山井

  右ひじ故障からの復活を目指す山井が宮崎では早くも4度目となる中継ぎ
 登板。

  加治前に左前打を許したものの、最後は円谷を遊ゴロ併殺に抑え、打者3
 人に対して無失点で切り抜けた。

   山井   「右ひじの状態? 問題ありません。普段通りに投げられた」

 最速は145キロをマーク。復帰へのプロセスは順調のようだ。

D4番右翼・堂上剛

  フェニックス・リーグで不動の4番に座る堂上剛の勢いが止まらない。4
 回にチーム唯一の打点を挙げる中前適時打を放つと、6回にも再び中前打。

  これで今リーグでは28打数14安打で、驚異の「5割」をキープしている。

   堂上剛  「1年間やってきたことが結果に出ている」

 左投手も全く苦にしていないだけに、勢いは当分続きそうだ。

                 【10月15日付け中日スポーツより引用】