07/09/29 山形 ファーム日本選手権

◎3年ぶり4度目の日本一◎

   
中  日
巨  人

[本塁打]堂上剛(5回1点深田)
     森 岡(6回2点深田)
     平 田(8回2点東野)
[勝 投]吉 見
[敗 投]深 田
[最優秀選手]吉見
[優秀 選手]森岡、平田、堂上剛、深田

 
中  日10
巨  人

   中  日  
左  沢 井一邪  右飛    投犠  左飛  左安
遊  岩 崎中飛    三ゴ  遊ゴ  二ゴ  中安
二  森 岡三振    左飛  中本  三邪  左飛
一  新 井  一邪  二飛  左2    捕邪捕邪
右  堂上剛  三振    右本中2    投安  
三  柳 田  死球    中飛四球    一ゴ  
中  平 田  右飛    三ゴ中安    右本  
捕  田 中    三振  捕飛敬遠    中飛  
投  川 井    二ゴ              
 投  吉 見          左安右飛      
 打  堂上直                  遊ゴ
 投  金 剛                    
     計 3610                    
   巨  人  
中  松 本三振右飛    二ゴ      左飛  
三  寺 内左2  三振  一ゴ      右飛  
遊  坂 本三ゴ  左安    三振    二ゴ  
右  亀 井中飛  三振    中飛      二ゴ
左  田 中  二ゴ三振    左2      三飛
一  三 浦  中安  三振  三振      遊ゴ
二  岩 舘  三ゴ  右飛            
 打二 円 谷              遊ゴ    
捕   星   遊失  二ゴ      右安    
 投  越 智                    
投  深 田  左2    三振          
 投  酒 井                    
 投  真 田                    
 打  川 中              二併    
 投  東 野                    
 捕  実 松                    
     計 33                    

中  日
川 井6214
吉 見5916
金 剛10
巨人
深 田52/38721
酒 井 0/317
真 田11/322
東 野23
越 智13

【盗塁】坂本
【失策】岩崎


  ファーム日本選手権が29日、山形で行われ、ウエスタン・リーグを制した
 中日がイースタン・リーグ覇者の巨人を7−2と下し、3年ぶり4度目の優
 勝を果たした。ファーム日本一を飾った2軍から若手らを呼んで1軍で競争
 させることになった。森岡、新井、沢井、柳田の内野手4人に、この日、追
 撃のソロ本塁打を放った堂上剛を加えた計5選手が1軍に合流。逆転Vに向
 けて起爆剤になる。

D辻2軍監督

  “弟・竜”の1年が、最高の形で締めくくられた。9回、金剛が三浦を遊
 ゴロに打ち取ると、ベンチから選手が一斉にグラウンドへなだれ込んだ。フ
 ァーム日本一の瞬間だ。そして辻2軍監督が4度、宙に舞った。

   辻2軍監督「勝つためにどうすればいいか意識づけしてきたことを、選
         手が試合で出してくれた。先取点取られても次の1点をピ
         ッチャーが守って、打線はヒットが出なくても、エラー、
         四球、何でもいいから塁に出ようとすることで相手も嫌が
         る。逆転すれば、どん欲に追加点を取る。そういう戦いが
         できた」

 辻2軍監督は満面の笑みで振り返った。

  2回に2点を先制され、打線は4回まで巨人の左腕・深田(中京大出)の前
 に無安打に抑えられた。だが2番手・吉見が4回から5イニング無失点で踏
 ん張り、5回に堂上剛がチーム初安打となるソロ。悪い流れでも我慢を重ね
 たことで、6回に風向きが変わった。2死三塁で森岡が中越えに逆転2ラン
 を放った。

   森岡   「球が低めに来ていたこともあって、前の打席まで探り過ぎ
         ていた。思い切って初球から振った結果です」

 さらに新井、堂上剛、平田の長短打などでこの回一挙4得点。8回には平田
 のダメ押し2ランで勝負を決めた。

   辻2軍監督「相手が(1軍の首位)巨人ということで1軍に微々たるもの
         でもいいからエールを送ろうと思った」

 試合後には森岡、新井、沢井、柳田、堂上剛の1軍合流が決まった。

   新井   「昇格(選手登録)されるかわからないけど、ベストを尽くす
         だけです」

 ファーム日本一が最終目的でなく、1軍の戦力となってこそ評価される世界。
 連覇の窮地に追い込まれた1軍は、出場選手登録を「2枠」空けた。一足早
 く“G倒日本一”を達成した若竜が、今度は1軍への力となるべく競争を始
 める。

D5番右翼・堂上剛

  最後に1軍切符をつかんだ。ファーム日本一を決めた試合後に堂上剛の1
 軍合流が決まった。試合後、辻2軍監督が優勝の報告を落合監督にした際、
 この日の活躍が認められて急きょ決定。森岡ら4選手は、ファーム日本選手
 権の試合前に1軍合流が決定していたが、そこへ滑り込んだ。

  「5番・右翼手」で先発出場。一発勝負の決戦では価値ある一撃を放った。
 4回まで先発・深田に無安打に抑えられていた打線だったが、5回には先頭
 打者で右中間の芝生席に追撃のソロ本塁打を運んだ。重苦しかった中日ベン
 チのムードを変えるチーム初安打となった。

   堂上剛  「打ったのはストレート。読み勝ちです」

  6回には2死二塁から中越えに適時二塁打を放ち、チーム4点目となる貴
 重な打点を挙げた。8回は遊撃内野安打で3安打の固め打ちだ。20日に2軍
 降格となったが、その悔しさをバネに再昇格を目指して10日間取り組んでき
 た。

   堂上剛  「2軍になってからは、1軍でできなかったことを毎日練習
         しました。それがきょうの結果につながったと思います」

  日本選手権を控えた28日は、山形遠征に同行している父親・照さんと弟・
 直倫内野手らと久しぶりに夕食をし、楽しいひとときを過ごした。弟は9回
 に代打で登場し、遊ゴロに倒れたが、今回の選手権には兄弟出場も果たせた。

   堂上剛  「いろいろな話ができてよかったです。明日からは、今持っ
         ている力を出して、次こそはチームの役に立てるように気
         合入れていきます」

  “日本一”に大きく貢献した堂上剛が、今度は“再招集”される1軍で貢
 献してみせる。

D7番中堅・平田

  2年目の19歳・平田は8回に中越え2ランを放つなど、2安打3打点で優
 秀選手賞に選ばれた。

   平田   「ホームランは狙っていなかったです。試合前はMVP狙っ
         てましたけどね。試合に出たらとにかく結果をだそうと思
         っていたんで、うまい具合にいきました」

 今季は1軍昇格なしだったが、最後に意地を発揮した。

D2番手・吉見

  好投&好打で日本一に導いた右腕・吉見がMVPに選ばれ、賞金50万円を
 獲得した。4回から2番手で登板し、5イニングを2安打無失点に抑える好
 投で勝利投手に。打っては6回に先頭で打席に入り、粘って11球目を左前打。
 その後、森岡が逆転2ラン。

   吉見   「何とかチームに流れが来るように一生懸命投げた。ヒット
         はたまたまです。来年は上(1軍)で活躍できるように頑張
         りたい」

 “日本一”の投手となったことで、来季に弾みをつけたい。

※表彰選手

 最優秀選手(賞金50万円)=吉見
 優秀選手=(各20万円)=堂上剛、平田、森岡、深田(巨)
 ホームラン賞(賞金&山形米「はえぬき」30キロ)=堂上剛、森岡、平田
 勝利チームの中日=100万円
 敗戦チームの巨人=50万円
                 【9月30日付け中日スポーツより引用】