06/07/20 東京ドーム フレッシュオールスター
| |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
計 |
| セ選抜 |
4 |
0 |
1 |
1 |
0 |
2 |
0 |
0 |
0 |
8 |
| パ選抜 |
0 |
1 |
2 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
4 |
[本塁打]中村一(中1回2点古谷)
岡 田(サ7回1点吉見)
[勝 投]山 口(湘 南)
[敗 投]古 谷(ロッテ)
| | 打数 | 得点 | 安打 | 打点 | 三振 | 四死 |
1 | 3 | 4 | 5 | 6 | 8 | 9 |
| 5 |
一 |
新 井 |
5 |
1 |
1 |
2 |
1 |
0 |
中2 |
一ゴ |
左飛 |
|
遊ゴ |
三振 |
|
| 6 |
指 |
中村一 |
5 |
1 |
2 |
3 |
1 |
0 |
左本 |
左安 |
|
三振 |
三ゴ |
|
一ゴ |
| |
回数 |
球数 |
打者 |
安打 |
三振 |
四死 |
失点 |
自責 |
| 吉 見 |
2 |
28 |
7 |
1 |
3 |
0 |
1 |
1 |
セ5番一塁・新井
高々と舞い上がった打球に、東京ドームからどよめきが起こった。打球は
本塁打まであと50センチのところで、中堅フェンスを直撃。新井が、初回か
ら特大の二塁打で大器の片りんをみせた。
新井 「ちょっとこすったから届かないと思っていた。よく飛んで
くれました」
2死一、二塁で回ってきたチャンス。「本塁打か、三振かどちらかですね」。
試合前に語っていた通り、駒大の先輩にあたるロッテ・古谷の速球をフルパ
ワーで打ち返し、2点をたたきだした。
尊敬する兄・貴浩(広島)は99年に出場し、優秀選手賞を獲得している。
新井 「(優秀選手賞に選ばれた)脇谷さんと票が競ってたみたいで
すね。2打席目から意識しすぎて力が入ってしまいました
…」
その後の4打席の凡退で賞を取り逃がし、反省いっぱい。それでも1安打1
打点だった99年の兄の成績は、1打点分超えた。
17日にプロ初の1軍昇格を果たすなど、そのパワーに対する首脳陣の期待
は高い。
佐藤監督 「6月、7月になって打撃がよくなってきた。慣れもあるし、
鍛えながらやっているからね」
2軍では毎日、通常練習とは別に、早出特守と夜間特訓をこなす超ハードな
練習を積み重ねた。その成果がようやく表れてきた。
新井 「これからも1軍に残れるようがんばります」
次代の主砲候補は、着実に飛躍の階段を登っている。
セ6番DH・中村一
確かな手応えに、心臓がバクバクと鼓動した。
中村一 「真っすぐしか待っていなかったんです。手応えはありまし
たよ。でも、切れるか切れないか…。わからなかったので、
必死に走りました」
決めた。故郷で錦、いや家族らの見守る中で、中村一が会心の一撃。1回
表、全セ5番、ルーキーの新井が先制の2点適時二塁打を放った直後。プロ
2年目の先輩の意地がバットに乗り移る。カウント2−1から全パ先発・古
谷(ロッテ)の投じた直球をガツン。左翼ポール直撃の一発だ。
3回の第2打席でも、2死二塁からこの試合2安打目を左前へ。ここでも
打点を挙げ、2安打3打点の活躍で優秀選手賞に選ばれ、賞金50万円を手に
入れた。
1年遅れで巡ってきたチャンスだった。今回は、左太ももを痛めた春田の
代替選手として出場。実は昨年、自身も右ひじを痛めフレッシュ球宴を出場
辞退した。苦い思いを、快打で吹き飛ばした形だ。
ドラフト7巡目で国際武道大から05年に入団。ここまで2年間、1軍経験
はない。しかし、ウエスタン・リーグで最近8試合連続安打をマーク。
中村一 「バッティングの調子が上がってきたんで、自分の中ではい
い感じです。不安なく打席に入れて余裕も出てきた」
大舞台でも気後れすることなく、絶好調ぶりを実証した。
パワーの源はもう1つあった。前日(19日)には昨年オフの12月以来、約7
カ月ぶりに東京・江戸川区内にある実家に里帰り。母・信子さんの手料理を
食べて、元気モリモリで東京ドームに乗り込んできたのだ。
その母親を含め、スタンドには父・悦夫さん、妹・舞子さんの家族そして、
親せき、友人ら総勢32人がズラリ。「パワー炸裂 中村一生」の横断幕持参
で大声援を送った。その期待にもバッチリ応えたヒーローは、お立ち台での
インタビューで
中村一 「応援に来てくれてありがとうございます。 これから下(2
軍)で活躍して、早く1軍に上がれるように頑張ります」
家族らに“公約”するように叫んだ。
賞金の使い道を聞かれると
中村一 「妹の就職祝いを買ってあげたい」
両親へのプレゼントは、もちろん「1軍昇格」だ。
中村一の母・信子さん
「みんなたくさん呼んで(東京ドームに)来たので、ヒットを
1本でも打ってほしかった。それがまさかホームランにな
るとは思いませんでした。1軍に上がれず苦労していると
は思いますけど、この球宴での活躍をきっかけに、1軍を
目指して頑張ってほしい」
セ5番手・吉見
5番手で登板した吉見が1球に泣いた。7回、先頭のサーパス・岡田に右
翼席にソロをたたき込まれた。
吉見 「内角への速球が、甘く入っていましたね。最初の回がよか
ったので、欲が出てしまいました」
6回は2三振を奪う3者凡退。本来はここで降板の予定だったが、全セの投
手コーチを務めた佐藤2軍監督から、もう1イニングのご褒美をもらった。
その直後の失点だっただけに悔しさが残った。それでも本塁打以外はパーフ
ェクトに抑え、実力の片りんを見せた。
【7月21日付け中日スポーツより引用】