瀬間仲ブラジル代表、アテネ五輪出る
           <2003年9月25日付け「中日スポーツ」より引用>


 瀬間仲が、アテネ五輪米州(北中南米)予選(10月30日−11月11日・パナマ)
のブラジル代表に入ったことが24日、明らかになった。将来の飛躍のため、
ブラジル野球連盟の要請に中日球団もゴーサインを出した。26日にブラジル
へ帰国。代表合宿からW杯(10月12−25日・キューバ)を経て米州予選に臨む。

 世界という舞台での戦い。きっと、この経験が将来へとつながる。

  瀬間仲  「代表としてブラジルのためにやってきます。日本の中日の
        選手として恥ずかしくないよう、精いっぱい頑張ります」

瀬間仲は高まる胸の鼓動を抑え切れない。

 このオフ、若武者には1分、1秒も無駄にはできない。通常なら秋季キャ
ンプで泥まみれになって、来季へとつなげなければならないところ。だが、
球団も瀬間仲のことを考えた上で派遣を決断した。

  伊藤代表 「秋季キャンプがあるが、きっといい経験になる。来年、い
        きなり4番を打てるくらい大変身してくれれば」

 シドニー五輪で金メダルに輝いたアメリカ、銀メダルのキューバをはじめ
とする強豪国がいる米州予選。2枚の切符を争うことを考えると、アテネ五
輪本戦出場の可能性はゼロに近いが、かけがえのない経験はできる。

 瀬間仲は3月下旬に右足首を痛めて出遅れた。今季はウエスタン・リーグ
で18試合に出場し、16打数3安打の打率1割8分8厘。本塁打、打点はゼロ
と不完全燃焼の1年。

  瀬間仲  「今年は何もできなかったんで、その分も暴れたい」

 この日は名古屋市中区の中日球団事務所を訪れ、書類上の手続きなどを行
った。ひと回りもふた回りも大きくなって帰ってくる。

※桜井は代表辞退

 日本、ブラジルの両国籍を持つ桜井は五輪予選に参加せず、日本に残って
秋季キャンプで鍛える。

  伊藤代表 「桜井もあったけど、瀬間仲ひとりになった。桜井は断った
        よ」

 ブラジル野球連盟からは瀬間仲とともに要請があったものの、本人の意向
もあり派遣を見送った。

※ブラジルアラカルト

▼野球も人気
 ブラジルではサッカーや格闘技などが盛んだが、日系人を中心に野球も人
 気がある。ヤクルトが野球アカデミーを設立している。

▼プロ野球選手
 ブラジル国籍のプロ野球選手には瀬間仲とともに参加予定のヤクルト・ツ
 ギオ佐藤内野手(22)がいる。ほかにも同・ユウイチ松元外野手(22)、ダイ
 エーのアンダーソン・ゴメス投手(18)。中日・桜井好実外野手(18)は日本
 とブラジルの両国籍を持っている。また、広島・玉木重雄投手(32)、ヤク
 ルト・片山文男投手(19)はブラジル出身。

▼メジャーリーガー
 現在、米大リーグでブラジル人選手はいない。


瀬間仲プロ初『8番・一塁』『これからも全力で』
           <2003年9月13日付け「中日スポーツ」より引用>


 瀬間仲が、プロ入り初の公式戦先発出場を果たした。9日に行われたダイ
エー戦(雁の巣)に「8番・一塁」でスタメンに名を連ねた。

 6イニングを守り、2打席で交代したが、2度の守備機会もこなし、1打
数1安打と結果も出した。

  瀬間仲  「まだ実力がないことは分かっていますが、監督やコーチが、
        ちょっとでも信じて使ってくれた」

素直な気持ちを口にした。

 緊張しないように、プレー中も大きな声を出して自らを奮い立たせた。

  瀬間仲  「とにかく思い切ってプレーしようという気持ちが強かった。
        これからも試合に出してもらったら、思い切り全力プレー
        を心掛けます」