宮越またチャンスつかむ−1軍先発雨で流れ再び2軍落ち
           <2003年9月24日付け「中日スポーツ」より引用>


 吹く風に秋を感じさせるナゴヤ球場。その外野の芝生を宮越が黙々と走る。
滝のように噴き出る汗は夏を思わせる。ハートも“夏”だ。

 今月14日に今季初の1軍登録。16日の巨人戦で中継ぎながら、1イニング
を1安打無失点に。

  宮越   「よく腕も振れて、うまく投げられました」

 まずまずのスタートにチャンス到来。横浜戦(20日・横浜)で先発が予定さ
れたのだ。ところが、台風の影響で雨天中止。昨年4月以来の先発も逃げて
しまった。

  宮越   「雨には勝てないが、気持ちも高まっていただけに、残念で
        す」

ガックリする中、21日には1軍登録抹消に。

  宮越   「でも、“来月の試合に投げられるように、今の調子を維持
        しておけ”と言われましたから」

次のチャンスに向けて、心も熱いわけだ。

  宮越   「これまで、ずっと調子が良かった。残り試合も少なくなっ
        たが、少ない中でもチャンスをしっかりつかみたい」

宮越は口元を引き締め、2軍が遠征している大阪に向かった。


宮越1軍で勝ちたい
           <2003年5月13日付け「中日スポーツ」より引用>


 7年目、宮越が12日現在で、ウ・リーグの今季5試合に先発として登板し、
2勝2敗。防御率3.65と好成績を挙げている。

 「1軍にいつでも呼んでもらえるように」。今季の宮越はこの意識を念頭
に掲げながら、常に投げている。

 ここまでの成績には裏付けがある。 昨年途中から取り組んでいる決め球
(フォークボール)の習得だ。現段階では5、6分の出来らしいが、効果は成
績が物語っている。

  宮越   「無死一、三塁の時など、ここ一番で三振が取りたいときや、
        ゴロを打たせる球として有効だから…」

 順調な滑り出しに自然と顔もほころぶ。

  宮越   「追い込むまでのボールにはある程度自信は持っている」

 決め球に磨きがかかれば失点が減る。失点が減れば相乗効果が生まれる。

  宮越   「この投手が投げるときは失点が少ない。そう野手が思って
        くれれば、打撃の方で変なプレッシャーを与えずに気楽に
        打ってもらえる…」

 投手として自分のイメージする方向に着実に向かっているという。

  宮越   「たどり着いてはいないけど、ピッチング全体的なものをつ
        かみかけている」

 目を輝かせる。

 1軍での成績は0勝2敗。勝ち星はない。精神的プレッシャーも打者の実
力も肌で感じて知っている。

 だからこそ何をすべきか常に考え、夢をかなえるために努力する。

  宮越   「1軍で勝ちたい」

 遅咲きの花のつぼみが花開くのは、そう遠くはないはずだ。