仲沢、積極打法で好結果
           <2003年8月15日付け「中日スポーツ」より引用>


 山田監督が1軍登用を宣言した3年目の仲沢の打撃が上向きだ。13日のダ
イエー戦こそノーヒットに終わり、連続試合安打が7でストップしたが、1
軍でのプロ初ヒットはそう遠いことではなさそう。

 6月に3割4厘を打ちながら、7月は2割6厘と大きく落ち込んだ。それ
だけに8月の3割3分3厘は光る。

  仲沢   「気持ちだと思います。調子が悪いと(ボールを)見てしまい
        がち。三振を怖がらず積極的に打ちにいっているのが、い
        い結果につながっています」

 ただ、5月までに4本塁打を放ちながら、ここ3カ月は一発がない。

  仲沢   「打ちたいですよ。でもそんなタイプではないし、(野手の)
        間を抜いていくのが一番いいし、ツボにくれば一発という
        のが僕の持ち味です」

 守備では遊撃、二塁をこなし、ほぼスタメン出場が続く。

  仲沢   「出してもらっている以上、打撃もだが、守備でもアイツの
        所なら安心だと思われるようになっていきたい」

 4月末から4試合、1軍の試合を経験したものの、初安打はお預けとなっ
ているだけに、再度の1軍入り、そして定着に意欲を燃やす。


3戦連続3安打!! 仲沢3割目前
           <2003年6月7日付け「北陸中日新聞」より引用>


 仲沢が1軍再昇格に向けて、そのバットが爆発している。ウエスタン・リ
ーグで最近3試合連続の3安打をマークし、その3戦の合計が13打数9安打、
3打点。今季の同リーグ通算成績は97打数29安打で、打率2割9分9厘。3
割の大台が目前に迫ってきた。

  仲沢   「来た球を素直に打ち返せている。今は体が自然に対応して
        いる。タイミングがずれたときもファウルして“逃れる”
        ことができる。楽しく野球ができている」

 文字通りの「絶好調」だ。

 オリックス時代のイチローの“育ての親”として知られる河村2軍打撃コ
ーチが仲沢の急成長を認めた。

  河村コーチ「“強く振り抜く”という打撃で取り組んできたことが今に
        なってできてきた。守備をきっちりやれば、今の段階で1
        軍のサブ(控え内野手)になれる」

 中日1軍は今月10日に仲沢の故郷・福井で阪神と対戦する。あと3日しか
ないから、故郷で雄姿を見せるのは難しいかもしれないが、わずかな可能性
に仲沢は懸ける。


度胸満点、若竜キング
           <2003年5月30日付け「北陸中日新聞」より引用>


  仲沢   「2軍でできないことは1軍に上がったらもっとできない。
        そういう意識が生まれたことが、自分のプラスになった」

 仲沢は今月初めに、1軍でプレーした短い経験を振り返った。井端がけが
をして、チャンスがめぐってきた。プロ3年目で初めてつかんだ1軍切符。
4試合に出場しただけだったが、1軍の厳しさを肌で感じた。

 守備のミスはしなかった。打席に4回立ったが、1度だけ失敗をした。無
死一塁で代打。送りバントを決められず、併殺に取られた。

  仲沢   「相手の守備態勢が極端なバントシフトを敷いてきたけど、
        そのままバントをしてしまった。バットを引いて見送ると
        いう駆け引きができなかった」

 侮しさを胸に刻み込んだ。

 これまでの2年間、2軍戦でも常に試合に出ることはなかった。今年は主
に1、2番を任され、規定打席にも達している。本塁打はチームトップタイ
の4本。

  仲沢   「この2年間、振り込んできた成果が出てきていると思う。
        長距離打者ではないけど、やっぱり本塁打を打てたらうれ
        しい」

 笑顔をのぞかせた。

  大橋監督 「1軍でプレーできたのは運が良かった。いい経験をした。
        仲沢の長所は、何事にもめげないところ。それが逆に、欠
        点にもなってしまうんだけど(苦笑)」

 仲沢は1軍での6日間を「特に緊張もしなかった」と言ってのける度胸の
持ち主。こつこつの積み重ねが少しずつ実を結んでいる。


仲沢“負けん気”再点火
           <2003年5月7日付け「中日スポーツ」より引用>


 真夏を思わせるナゴヤ球場で、左右に転がるボールを必死になって追う仲
沢。「ウオー」。言葉にならない声を張り上げて飛びつく。5日、酒井に代
わって1軍登録を抹消されたその日の動きだった。

 4月29日、プロ入り3年目にして初めて1軍登録された。その日にスタメ
ン出場するなど4試合に出場。3打数無安打1三振。チームにとって手痛い
バント失敗(併殺)もあった。決して甘い香りはしなかったが、約1週間、1
軍の空気を体いっぱいで吸ってきた。

   仲沢   「(頑張れば)何とかやっていけるような気がしました。あ
         とは経験だし、目標もできました」

 確実に力をつけたことは周りも認めるだけに、1軍定着に向けて持ち前の
“負けん気”に火が付いた。もう一度、出直し。打撃も守備も、もっとたく
ましくなって、必ず1軍に帰ってみせる。


仲沢1軍へ自信
           <2003年4月22日付け「中日スポーツ」より引用>


 3年目・仲沢の今季に懸ける思いは強い。

  仲沢   「1軍への自信はあります。決して過信ではありません」

 力強く切り出した仲沢。00年度ドラフト7位で中日に入団。その時スカウ
ト陣から3年後をめどにやってくれればいいと言われていたが、自分ではす
ぐにでも通用すると信じて疑わなかった。

 しかし、プロは違った。1年間野球から離れたことも大きかったが「自分
の野球観が全然なかった」ことを痛感した。

 合同自主トレに参加した初日に、いきなり自慢の肩を痛める試練も重なっ
た。精神的にも落ち込んだという。

 だが、この試練が結果的に仲沢を大きくした。基礎体力を鍛え直し、いろ
んなプレーを見て勉強する時間に充てた。

  仲沢   「ケガの怖さを身をもって経験できたことが一番大きな財産
        になりました」

 当時を振り返る。

  仲沢   「プロでやっていくための精神面での体力もついたと思う」

 ウ・リーグ開幕前に

  大橋監督 「今季の仲沢は試合に出したら、何かやってくれるという期
        待感が持てるようになった」

  仲沢   「昨年の秋から振り込んで、力もついたと思う」

 自慢の打撃が一段とパワーを増した。今季ここまで2本塁打と、しぶとい
バッティングに加え長打力もプラスされた。

 学ぶことはまだまだたくさんあるが、

  仲沢   「1球1球を大事に、思い切り振ることを考え、持てる力の
        すべてを出していきたい」

 結果を出して夢の1軍へ。その自信はある。