09/09/15 鳴尾浜  阪神22回戦(対阪神9勝9敗4分)

◎新井2安打3打点、李炳圭逆転2ラン◎

 
中  日
阪  神

[本塁打]バルディリス7号(5回1点川井)
     李炳圭   5号(6回2点杉山)
[勝 投]川 井  (3試合2勝0敗)
[セーブ]金 剛  (40試合2勝4敗13セ)
[敗 投]杉 山  (12試合5勝2敗)

 
中  日 10
阪  神

 打率長打率出塁率
遊    谷  .265 .427 .322
二   柳 田 .320 .476 .395
左   野 本 .279 .360 .404
一   新 井 .295 .492 .420
右   李炳圭 .336 .515 .392
中   平 田 .331 .623 .401
三   堂上直 .259 .420 .342
捕   小 川 .147 .235 .211
  打   堂上剛 .296 .444 .358
  捕   小 田 .224 .245 .283
投   川 井 .200 .200 .333
  打   沢 井 .328 .374 .407
  投   パヤノ - - -
  打   福 田 .310 .542 .342
  投   平 井 - - -
  投   金 剛 - - -
35 10 .273 .401 .349
 打率長打率出塁率

  防御率 三振率
川 井 82 27 1.80 4.50
パヤノ 10 2.77 9.69
平 井 17 0.56 8.44
金 剛 12 2.93 9.00

《相手投手》杉山(5回2/3)−阿部(1/3回)−石川(1/3回)
      −西村(1回2/3)−鶴(1回)

  中日が15日、ウエスタン・リーグ制覇へのマジックナンバー2を点灯させ
 た。鳴尾浜での2位阪神との直接対決、2点を先行されたが、6回2死から
 野本の二塁打から、新井の適時二塁打などで3点を入れ逆転、7回にも新井
 が2点適時打、5−2で勝った。16日の同戦に勝てば、2年ぶりの優勝が決
 まる。

D3番左翼・野本
D4番一塁・新井

  簡単に2死を取られた直後からドラマは始まった。2点ビハインドの6回
 2死。駒大コンビがそれまでの嫌な流れを断ち切り、チームに勢いを与えた。

  まずはルーキー野本が口火を切った。

   野本   「チーム状態もいいですし、クリーンアップも打たせてもら
         っているので…」

 阪神先発の杉山に5回まで2安打に抑えられていた。この回も抑えられれば
 敗色ムードが濃くなる。この大事な決戦に、3番で起用されたことに結果で
 応えたかった。杉山の2球目をたたく。気持ちを込めた打球が、左中間への
 二塁打になった。

  続く4番は駒大の先輩・新井。その初球に杉山が暴投し、野本が三塁にヘ
 ッドスライディングする気迫を見せると

   新井   「ケイ(野本)が気合を入れてくれた。より一層、燃えました」

 後輩の熱気が、新井の闘志に火をつけた。1−3から5球目を右中間へ適時
 二塁打し、後輩の気迫にきっちり応えて見せた。追撃ののろしとなる主砲の
 一撃は、眠りかけていたチームを呼び覚まし、李炳圭の逆転2ランにつなが
 った。

  いったん火のついた新井の打撃は止まらない。続く7回には、

   野本   「むしろ7回のフォアボールが良かったと思います」

 と自画自賛の四球を選んでつないでくれた1死満塁のチャンスで、代わった
 西村の初球を左前に2点適時打、試合を決めた。

   新井   「今は余計なことを考えずに集中して打席に立てている。チ
         ームの雰囲気もいい。明日も勝つんだという強い気持ちで
         戦いたい」

 辻監督がこの正念場のキーマンとして名を挙げた駒大コンビが、2年ぶりの
 リーグ優勝をぐっと引き寄せた。

D5番右翼・李炳圭

  李炳圭が6回に逆転2点弾。1点差に迫った後の2死二塁、高めのスライ
 ダーをはじき返してバックスクリーンにぶち当てた。

   李炳圭  「野本もヒット、新井もヒット。だから僕もヒットでつなご
         うと思っていたよ。カウントが0−2だったからストレー
         トかなと思って待っていたけど、うまく対応できたね」

 会心の一打に満足そうだった。

D先発・川井

  許した安打は多くても、傷口は広げなかった。先発の川井は3日の出場選
 手登録抹消後、2軍で初登板。9安打を浴びながら、6イニング2失点と粘
 りに粘った。

   川井   「毎回ピンチだったけど、打ってくれましたから」

 1軍で連勝していた時と同じく、打線に感謝した。

  1軍で最後に登板した2日の広島戦(ナゴヤドーム)から中12日。走り込み
 から始めて体を作り直していた。

   小林コーチ「ミニキャンプのような意味もあった。すぐにというわけに
         はいかないが、連勝していたころのように戻してやりたい」

 と、復調の気配を感じ取っている。

   川井   「チームに貢献できたのはよかったです」

 と笑みもこぼした。ファームでとはいえ47日ぶりに手にした白星。開幕11連
 勝左腕には何よりの薬になったはずだ。

D辻2軍監督

  目の覚めるような逆転勝利に辻2軍監督もご満悦だ。

   辻2軍監督「いやあ、見事だったね。5回までは杉山の甘い球を打ち損
         じていたりしたんだけど、そういう(逆転する)雰囲気があ
         った。オレは何もすることがないよ。選手が自然と考えて
         やっている」

 と、口もなめらかだ。

   辻2軍監督「こうなったら明日決めたいな」

 ニンマリ笑って球場を後にした。

◆中日に優勝マジック2点灯

  ウエスタン・リーグは15日、中日に優勝へのマジックナンバー2が点灯し
 た。阪神は残り試合に全勝すると53勝34敗9分け、勝率6割9厘。中日は残
 りの阪神との直接対決1試合に敗れても、他カードで2勝すれば55勝34敗7
 分けの勝率6割1分8厘となり阪神の勝率を上回る。

◆前田、中川−僕たちもうれしい

  つい先日まで2軍にいた竜ナインは一様に弟竜のマジック点灯を喜んだ。

  「よしっ」と両手のこぶしを握りしめたのが前田。

   中川   「逆転(で勝ったの)ですか。すごいですね」

 とチームメートの底力に感心。

   中川   「マジック2? もう大丈夫だね」

 と後輩の頑張りをたたえた。

                 【9月16日付け中日スポーツより引用】